ジュニアサッカーで頭を打った、強く揺さぶられた、または脳震盪(のうしんとう)が疑われる症状がある場合は、その日の練習や試合には戻さず、できるだけ当日中に医療機関へ相談・受診するのが目安です。意識を失っていなくても脳震盪は起こります。けいれん、繰り返す嘔吐、意識が戻らないなどの症状があれば、受診を待たずに119番通報を検討してください。
脳震盪が疑われるときの受診の目安
| 状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 頭を打った後に、頭痛・めまい・吐き気・ぼんやりする・ふらつく・記憶があいまいなどがある | プレーを中止し、当日中に医療機関へ相談・受診する |
| 症状は軽くても、本人の様子が普段と違う、症状が続く・悪化する | 自宅だけで様子を見続けず、早めに受診する |
| 意識が戻らない、けいれん、繰り返す嘔吐、強い眠気などがある | 救急車を呼ぶなど、緊急対応を行う |
| 症状がなくても、頭部への強い衝撃があった、状況を確認できない | プレーには戻さず、保護者が状態を観察し、医療機関へ相談する |
受診先は、救急外来、小児科、脳神経外科などが候補です。診療時間外や受診先に迷う場合は、地域の救急相談窓口や医療機関に電話で確認してください。
すぐに救急受診が必要な症状
次の症状がある場合は、脳震盪だけでなく、頭の中の出血や重いけがの可能性も否定できません。自宅で経過を見るのではなく、救急要請または救急外来の受診を優先します。
- 意識を失っている、または呼びかけへの反応が悪い
- けいれんがある
- 頭痛が強い、または時間とともに悪化している
- 繰り返し吐いている
- 強い眠気があり、起こしても反応が鈍い
- 会話がかみ合わない、混乱している、普段と明らかに違う
- 手足のしびれ・力が入らない、歩けない、ふらつきが強い
- 物が二重に見えるなど、視覚の異常がある
- 頭から出血が続く、耳や鼻から血液・透明な液体が出る
- 首の強い痛みがある
本人が「大丈夫」と言っていても、子どもは症状をうまく説明できないことがあります。保護者や指導者が、受傷後の表情、会話、歩き方、反応の変化を確認してください。
脳震盪で見られる主な症状
脳震盪では、頭痛だけでなく、体の症状、考え方の変化、感情の変化が現れることがあります。症状は受傷直後に限らず、数時間後に気づく場合もあります。
- 頭痛、頭が重い
- めまい、ふらつき、バランスが取りにくい
- 吐き気、嘔吐
- まぶしさや大きな音がつらい
- ぼんやりする、反応が遅い
- 受傷前後の出来事を覚えていない
- 集中しにくい、考えがまとまりにくい
- 眠りすぎる、眠れない、疲れやすい
- イライラする、不安になる、普段より感情的になる
これらは脳震盪で見られる可能性がある症状ですが、症状だけで診断はできません。症状が一つだけでも、頭部への衝撃後に現れた場合はプレーを中止し、医療機関へ相談してください。
受診までにすること
- すぐにプレーを中止する。「少し休めば戻れる」と判断して、同じ日に練習や試合へ復帰させないでください。
- 大人が付き添って安全な場所で休ませる。一人にせず、歩行が不安定な場合は無理に歩かせません。首の痛みがあるときは、首を動かさないようにします。
- 症状と受傷状況を記録する。ぶつかった時刻、頭を打った部位、意識を失ったか、吐いた回数、本人の発言、症状が始まった時刻をメモします。
- 症状が悪化していないか確認する。呼びかけへの反応、会話、歩き方、吐き気や頭痛の変化を見ます。強い眠気や反応の悪化があれば救急対応に切り替えます。
- 医療機関に受診方法を確認する。緊急症状がある場合は119番、緊急性を判断しにくい場合は救急相談窓口や医療機関へ連絡します。
眠ってしまった場合に、保護者の判断で何度も起こす必要があるとは限りません。ただし、起こしても反応が悪い、呼吸がおかしい、症状が悪化している場合は緊急です。睡眠や夜間の観察方法は、受診時に医師へ確認してください。
症状が軽くても、その日にサッカーへ戻さない
脳震盪が疑われた日は、症状が消えても練習や試合に戻さないことが重要です。プレーを続けると症状が悪化したり、再び頭部に衝撃を受けたりする危険があります。
競技への復帰は、医療機関で状態を確認したうえで、症状がないことを確かめながら段階的に進めます。軽い運動、サッカーに近い運動、練習、試合というように負荷を上げ、症状が戻った場合は中止して前の段階に戻します。具体的な開始時期や進め方は、年齢や症状によって異なるため、診察した医師やチームの医療担当者に確認してください。
受診時に医師へ伝えること
頭を打った瞬間を見ていない場合でも、分かる範囲で次の情報を伝えると判断に役立ちます。
- 受傷した日時と場所
- 相手や地面との衝突、ボールとの接触など、分かる範囲の状況
- 意識を失ったか、記憶が途切れているか
- 頭痛、吐き気、めまい、眠気などの症状と始まった時刻
- 嘔吐の回数と、症状が悪化しているかどうか
- 受傷後にプレーを続けたか、運動や入浴などをしたか
- 普段と違う言動や歩き方があるか
迷ったときの判断
ジュニアサッカーで頭部への衝撃後に少しでも脳震盪が疑われる症状があるなら、判断の基本は「プレー中止・当日中の相談または受診・保護者による観察」です。
意識障害、けいれん、繰り返す嘔吐、悪化する頭痛、反応の低下などがあれば、通常の受診を待たず救急対応を行ってください。受診するか迷うときも、症状を軽く見てプレーへ戻すのではなく、まず医療機関や救急相談窓口へ連絡するのが安全です。







