ジュニアサッカーのシンスプリントを予防するには?

ジュニアサッカーのシンスプリントを予防するには?

ジュニアサッカーのシンスプリントを予防するには、練習量や走る強度を急に増やさず、休養を取り、ふくらはぎ・足首・足部を動かしやすくしておくことが大切です。痛みが出たまま練習を続けると悪化することがあるため、すねの痛みを「よくある成長痛」と決めつけないことも重要です。

シンスプリントとは?

シンスプリントは、走る・跳ぶ動作を繰り返したときに、すねの内側を中心に痛みが出る状態の通称です。医学的には「脛骨過労性骨膜炎」や、近い状態を含めて「内側脛骨ストレス症候群」と呼ばれることがあります。

ジュニアサッカーでは、ダッシュ、急停止、方向転換、ジャンプを繰り返します。練習時間の増加、試合数の増加、硬いグラウンドでの運動、足首やふくらはぎの硬さなどが重なると、すねに負担がかかりやすくなります。

予防の基本は「急に増やさない」こと

シンスプリントの予防では、練習量だけでなく、走る距離、ダッシュや切り返しの回数、試合数、グラウンドの硬さなどを含めて、負荷を急に増やさないことが重要です。

  • 新しいチームや学年になった直後に、練習量を急に増やさない
  • 長期休みの後は、いきなり全力で走らず段階的に戻す
  • 試合が続く週は、練習のダッシュや走り込みを減らす
  • 痛みや疲れが残っているときは、練習量や強度を下げる
  • 練習日と休養日を組み合わせ、毎日強い負荷をかけない

特に、休んだ後に「休んだ分を取り戻そう」と急に走ることは、すねへの負担を増やします。再開時は、短時間の軽い運動から始め、痛みや翌日の状態を見ながら戻します。

練習前後に行いたいケア

練習前は体温を上げる

練習前は、軽いジョギングやスキップなどで体を温めてから、足首を動かす運動や、サッカーで使う動作を取り入れます。いきなり全力ダッシュや強いキックを始めるのは避けます。

練習前のストレッチは、痛みを我慢して強く伸ばす必要はありません。動きながら行う軽い準備運動を中心にし、筋肉を無理に伸ばしすぎないようにします。

練習後はふくらはぎを整える

練習後は、歩く、軽く動かすなどして急に止まらないようにし、ふくらはぎや足首をゆっくり動かします。ふくらはぎを伸ばす場合も、痛みが出ない範囲で行ってください。

ストレッチをして痛みが消えない、または翌日に痛みが強くなる場合は、ストレッチだけで解決しようとせず、練習量を見直す必要があります。

足首・ふくらはぎ・足の筋力を整える

足首を動かす筋肉や、ふくらはぎ、足の裏の筋肉を使いやすくしておくことは、走る・止まる・跳ぶ動作の安定につながります。ただし、筋力トレーニングも急に回数を増やすと負担になるため、少ない回数から始めます。

痛みがない時期に行う運動の例は次のとおりです。

  • 足首の曲げ伸ばし:座って足首をゆっくり上下に動かす
  • かかとの上げ下げ:壁などに手をつき、両足でかかとを上げてゆっくり下ろす
  • 片足立ち:転ばない場所で、体が傾かないように立つ
  • 足指を使う運動:足指を開く、閉じるなど、足裏を意識して動かす

運動中にすねの痛みが出る場合や、翌日に痛みが残る場合は、その運動を中止してください。子どもが一人で判断しにくいときは、保護者や指導者が運動量を調整します。

シューズとグラウンドも確認する

シューズは、サイズが合い、足が中で大きく動かず、靴底が極端にすり減っていないものを使います。足に合わない靴や、クッション性などが変化した古い靴は、走り方や足への負担に影響することがあります。

ただし、特定のシューズに替えればシンスプリントを必ず防げるわけではありません。靴を替えるときも、同時に練習量を急に増やさないことが大切です。

硬い地面や傾斜のある場所での練習が続く場合は、可能な範囲で練習内容や場所を調整します。グラウンドの条件を変えられない場合は、ダッシュやジャンプの量を抑えるなど、ほかの負荷を見直します。

痛みが出たときに練習を続けてもよい?

痛みが出たまま、いつもどおりの練習を続けるのは避けてください。まず、ダッシュ、ジャンプ、切り返しなど、痛みが出る動作を中止または減らします。

歩くと痛い、練習後から翌日に痛みが強い、押すと痛いといった場合は、練習を休むか大幅に軽くし、保護者から指導者へ伝えます。冷却が楽になることはありますが、冷やすだけで練習を続けてよいとは判断できません。

痛みが落ち着いた後も、すぐに全力練習へ戻さず、歩行、軽いジョギング、方向転換、ダッシュの順に、痛みと翌日の状態を確認しながら段階的に戻します。

シンスプリント以外のけがにも注意する

すねの痛みがすべてシンスプリントとは限りません。痛む場所が狭い、片側だけ強く痛む、安静にしていても痛い、夜も痛む、腫れがある、歩き方が変わるといった場合は、疲労骨折など別の原因も考えられます。

次のようなときは、練習を続けず、整形外科などの医療機関で相談してください。

  • 痛みが数日休んでも改善しない
  • 歩くだけでも痛い、または足を引きずる
  • すねの一部を押すと強く痛む
  • 腫れや熱感がある
  • 安静時や夜間にも痛みがある
  • 痛みが繰り返し起こる

受診時には、いつから痛いか、痛む場所、練習中と練習後の違い、最近増えた練習や試合、使っているシューズなどを伝えると、状態を確認する材料になります。

家庭とチームで確認する予防チェック

予防のためには、子ども本人だけに注意させるのではなく、保護者と指導者が練習量や体の変化を共有します。次の項目を練習前後に確認すると、負担の増加に気づきやすくなります。

  • すねや足首に痛みがないか
  • 歩き方や走り方が変わっていないか
  • 前日の疲れや痛みが残っていないか
  • 練習や試合が続きすぎていないか
  • シューズのサイズや傷みがないか
  • 痛みを隠して練習していないか

ジュニアサッカーのシンスプリント予防で最初に行うことは、練習量と試合数を急に増やさず、痛みや疲れが残る日は負荷を下げることです。足首・ふくらはぎのケアやシューズの確認も行い、痛みが続く場合や強い場合は、自己判断で練習を続けず医療機関に相談してください。