ジュニアサッカーで起こるシーバー病は、成長期のかかとの骨にある成長軟骨周辺へ、走る・跳ぶ動作の負担が繰り返しかかって起こる痛みです。主な症状は、運動中や運動後のかかとの痛みと、かかとを押したときの痛みです。対処の基本は、痛みが出る練習や試合をいったん減らし、冷却や靴の見直しを行うことですが、診断を確定するには整形外科での評価が必要です。
シーバー病で見られる主な症状
シーバー病では、次のような症状が起こりやすくなります。ただし、かかとの痛みには打撲や疲労骨折など別の原因もあるため、症状だけで断定はできません。
- 練習中、試合中、または運動後にかかとが痛む
- 片方または両方のかかとの後ろや下側が痛い
- かかとの出っ張った部分を押すと痛い
- 痛みを避けるため、つま先立ちや足を引きずるように歩く
- 走る、ジャンプする、ダッシュする、階段を上ると痛みが強くなる
- 練習を休むと軽くなるが、再開すると痛みが戻る
初めは運動後だけ痛み、休めば治まることがあります。しかし、そのまま練習を続けると、運動中や日常生活でも痛むようになる場合があります。
ジュニアサッカーでシーバー病が起こりやすい理由
成長期は、かかとの骨がまだ完全に成熟していません。サッカーでは、ダッシュ、急停止、方向転換、ジャンプ、キックを繰り返すため、ふくらはぎからアキレス腱を通じて、かかとの成長軟骨周辺に負担がかかります。
特に、次の条件が重なると痛みが出やすくなると考えられます。
- 練習時間や試合数が急に増えた
- 硬いグラウンドで練習している
- スパイクやトレーニングシューズが足に合っていない
- 靴底がすり減っている
- ふくらはぎやアキレス腱周辺が硬い
- 痛みがあるのに、練習や試合を続けている
「成長痛だから我慢すればよい」と考えず、運動量や痛みの変化を確認することが大切です。
シーバー病が疑われるときの対処法
対処の中心は、かかとにかかる負担を一時的に減らし、痛みが落ち着く時間をつくることです。痛みを我慢して通常どおりプレーするのは避けてください。
1. 痛みが出る運動を休む、または減らす
ダッシュ、ジャンプ、急な方向転換、キックなどで痛む場合は、それらの動作を中止または減らします。歩くだけでも痛むときは、練習や試合を休む必要があります。
完全に何もしない期間や復帰時期は、痛みの程度や診察結果で異なります。痛みが残ったまま、日数だけを基準に復帰しないでください。
2. 運動後にかかとを冷やす
運動後に痛みや熱っぽさがある場合は、タオルで包んだ保冷剤などを使い、短時間冷やします。冷却材を皮膚へ直接当てたり、長時間当て続けたりしないようにしてください。
冷やすことで一時的に楽になっても、原因が解決したとは限りません。冷却後に痛みが隠れて動けてしまう場合もあるため、痛みの有無を確認しながら活動量を調整します。
3. かかとを支える靴やインソールを検討する
クッション性があり、足に合った靴を使うと、かかとへの衝撃を減らせることがあります。市販のヒールカップやインソールが役立つ場合もありますが、入れて痛みが増すなら使用を中止してください。
スパイクのサイズ、靴底の摩耗、かかとのつぶれ方も確認します。靴を替えても痛みが続く場合は、靴だけが原因とは考えず、医療機関で相談します。
4. ふくらはぎの柔軟性を確認する
ふくらはぎやアキレス腱が硬いと、かかとにかかる引っ張る力が大きくなることがあります。痛みが強くないときに、反動をつけず、ふくらはぎをゆっくり伸ばします。
ストレッチ中やストレッチ後にかかとの痛みが強くなる場合は中止してください。痛みが強い時期に、かかとを強く押すマッサージや無理なストレッチを行うのは避けます。
5. 練習内容を指導者と調整する
本人だけで判断せず、保護者と指導者に痛みを伝えます。走る練習を減らし、痛みが出ない範囲で上半身のトレーニングや技術練習に替えるなど、内容を調整できる場合があります。
ただし、別の運動でもかかとが痛むなら、無理に代替練習を続けないでください。
整形外科を受診する目安
かかとの痛みが数日休んでも改善しない、繰り返す、練習のたびに強くなる場合は、整形外科を受診してください。成長期の足やスポーツ障害を診療している医療機関であれば、相談しやすいでしょう。
特に、次の症状がある場合は、練習を中止して早めに受診します。
- 歩くことが難しい、または体重をかけられない
- 安静にしていても強く痛む、夜間も痛む
- かかとが大きく腫れている、赤くなっている、熱を持っている
- 転倒や強い衝撃のあとから痛みが始まった
- しびれや感覚の異常がある
- 発熱を伴っている
- 痛みが片側だけに強く続く、または急に悪化した
シーバー病に似た症状でも、骨や腱のけがなど別の病気が隠れていることがあります。医療機関では、痛む場所や動作を確認し、必要に応じて画像検査などを行って原因を見分けます。
サッカーへ戻るときの判断
復帰は、日数ではなく痛みの状態を基準にします。少なくとも、普段の歩行や階段で痛みがなく、かかとを押しても強く痛まず、軽いジョギングや方向転換で症状が悪化しないことを確認します。
次のように、負荷を段階的に戻します。
- 日常生活で痛みがないか確認する。
- 軽いジョギングを短時間行い、当日と翌日に痛みが増えないか確認する。
- 痛みがなければ、軽いボール練習や短時間の練習に進む。
- ダッシュ、ジャンプ、急停止、対人練習を少しずつ加える。
- 翌日まで痛みが増えなければ、練習時間や強度を段階的に戻す。
途中で痛みが戻った場合は、直前の負荷まで戻します。痛み止めを飲んで痛みを隠した状態で復帰するのは避け、復帰の可否は診察した医師や理学療法士、指導者と相談してください。
シーバー病を繰り返さないための注意点
再発を防ぐには、痛みがなくなった直後に急に元の練習量へ戻さないことが重要です。練習時間、ダッシュやジャンプの回数、試合数を段階的に増やします。
- 練習量を急に増やさない
- 練習前に体を温め、練習後は整理運動を行う
- ふくらはぎや足首の硬さを定期的に確認する
- 足に合った靴を使い、靴底の摩耗を確認する
- 痛みが出た日は、翌日の練習量を下げる
- 痛み、練習量、痛みが出た動作を記録する
シーバー病は成長が落ち着くと改善することが多い一方、痛みを我慢してプレーを続けると、練習や日常生活に支障が出ることがあります。かかとの痛みが出たら、まず痛みを生む動作を止め、数日で改善しない場合や歩行が難しい場合は整形外科で確認することが、ジュニアサッカーを続けるための基本的な対処です。







