ジュニアサッカーで鼠径部に痛みがあるときの対策は?

ジュニアサッカーで鼠径部に痛みがあるときの対策は?

ジュニアサッカーで鼠径部(そけいぶ)に痛みがあるときは、まず練習や試合を中止し、痛みが出る動作を避けてください。原因を自己判断して無理にストレッチやプレーを続けると、筋肉や股関節周辺のけがを悪化させることがあります。

急に強く痛くなった場合は冷やして安静にし、歩く・走る・蹴る動作で痛みが続くなら、整形外科やスポーツ整形外科を受診しましょう。特に成長期は、筋肉の損傷だけでなく、骨盤や股関節の成長部に負担がかかっている場合もあります。

最初に行う鼠径部の痛みへの対策

痛みが出た直後は、次の順番で対応します。痛みを我慢して続けないことが最も重要です。

  1. プレーを中止する。走る、ボールを蹴る、方向転換する、足を大きく開くといった動作を止めます。
  2. 楽な姿勢で休む。痛い側の脚に体重をかけ続けないようにします。歩くと痛い場合は、保護者が付き添って移動してください。
  3. 痛む場所を冷やす。氷や保冷剤を布で包み、痛む部分に15〜20分程度当てます。凍傷を防ぐため、皮膚に直接当てたり、長時間続けたりしないでください。
  4. 痛みが引くか確認する。休んでも歩行時の痛み、腫れ、股関節の動かしにくさが残る場合は、練習に戻らず受診します。

市販の痛み止めを使う場合は、年齢や体重、持病、ほかの薬との組み合わせによって注意点が異なります。子どもに使用できる薬かを薬剤師や医師に確認し、薬で痛みを隠してプレーを再開しないでください。

鼠径部を無理に伸ばしたり、マッサージしたりしない

痛みがある直後に、内ももや股関節を強く伸ばすストレッチ、押すマッサージ、強い揉みほぐしを行うのは避けます。筋肉や腱を痛めている場合、刺激によって症状が悪化する可能性があるためです。

軽い動きでも痛みが出る間は、ストレッチや筋力トレーニングを自己判断で始めないでください。痛みが落ち着いた後の運動再開は、診察結果や理学療法士などの指導に合わせて段階的に行います。

ジュニアサッカーで考えられる主な原因

鼠径部の痛みは、内ももの筋肉や腱の負担だけでなく、股関節、骨盤、成長部などが原因になることがあります。痛む場所や発症の仕方だけで原因を確定することはできません。

痛みの出方 考えられる例 受診を考える目安
ダッシュ、キック、方向転換の直後に急に痛い 内ももの筋肉や腱などの損傷 歩行や足を開く動作でも痛む、腫れや内出血がある
練習を続けるうちに徐々に痛くなった 筋肉・腱や股関節周辺への繰り返しの負担 休んでも数日続く、練習のたびに再発する
股関節の前側や鼠径部が痛く、脚を動かしにくい 股関節周辺の問題 びっこを引く、股関節を内側・外側に動かしにくい
成長期に、走る・蹴る動作で骨盤付近が痛い 骨盤の成長部への負担など 痛みが繰り返す、安静にしても改善しない

上の表は症状から可能性を整理したもので、診断ではありません。ジュニア選手では、痛みの原因を確認するために診察や画像検査が必要になることがあります。

すぐに受診したほうがよい症状

次の症状がある場合は、練習を休むだけで様子を見ず、早めに医療機関へ相談してください。強い症状がある、または判断に迷う場合は救急相談や救急医療機関の利用を検討します。

  • 強い痛みで歩けない、体重をかけられない
  • 転倒や接触の後から、急に強く痛くなった
  • 鼠径部や股関節周辺に腫れ、変形、広がる内出血がある
  • 股関節を動かせない、脚の長さや向きがおかしい
  • 発熱、強いだるさ、赤く熱をもった腫れがある
  • 鼠径部にふくらみがあり、腹痛や吐き気を伴う
  • 安静にしても痛みが強くなる、夜間も痛みが続く

特に、股関節の痛みで歩けない状態や、発熱を伴う股関節周辺の痛みは、早めの評価が必要です。

何日休めばサッカーに戻れる?

復帰までの日数は、原因や痛みの程度によって異なるため、「何日休めばよい」と一律には決められません。痛み止めを飲んだ状態ではなく、日常生活とサッカーに近い動作を痛みなく行えるかで判断します。

少なくとも、次の動作で痛みやかばう動きがないことを確認してから、軽い練習へ段階的に戻します。

  • 普通に歩く、階段を上り下りする
  • 軽く走る
  • 止まる、方向を変える
  • 片脚で立つ、軽く跳ぶ
  • 短い距離でボールを蹴る

どれか一つでも痛みが出る、動きが左右で違う、練習後や翌日に痛みが戻る場合は、負荷を下げて休みます。復帰の許可やリハビリの内容は、診察を受けた医師や指導者と相談して決めてください。

再発を防ぐために見直すこと

痛みが落ち着いた後は、原因になった負荷を見直します。急に練習量を増やした、試合が続いた、準備運動が不足していた、疲労がたまっていたといった状況がある場合は、復帰後の負荷を段階的に調整します。

  • 練習前に軽いジョギングや動きを使った準備運動を行う
  • 股関節、太もも、体幹を含めて全身をバランスよく鍛える
  • 痛みや疲労がある日は、練習量や強度を下げる
  • 練習後や翌日に痛みが戻らないか確認する
  • 痛みを隠して練習に参加しない

鼠径部の痛みが繰り返す場合は、フォームや身体の使い方だけでなく、練習量、休養、成長期の身体の変化も含めて評価してもらうことが大切です。

まとめ

ジュニアサッカーで鼠径部が痛いときの基本は、プレーを中止して冷やし、痛みが続くなら整形外科やスポーツ整形外科を受診することです。歩けない、強い腫れや発熱がある、股関節を動かせないといった症状があれば、早めに医療機関へ相談してください。

痛みがなくなったように感じても、走る・方向転換・キックで痛みが出る間は復帰の時期ではありません。診断と回復の程度に合わせ、痛みのない動作から少しずつ戻ります。