ジュニアサッカーの冬場の怪我を予防するには、練習前に体を温め、寒さに合わせた服装と水分補給を整え、練習量やグラウンド状態を調整することが大切です。特に、急に全力で走り出さず、ジョギングから動きを大きくするウォームアップへ段階的に進みます。
冬場に怪我が増えやすい理由
冬は気温が低く、筋肉や関節が動き始めるまでに時間がかかります。その状態でダッシュ、急停止、方向転換、キックなどを行うと、筋肉や腱に大きな負担がかかることがあります。
また、寒さで喉の渇きを感じにくくなっても、運動中は汗や呼吸によって水分を失います。乾燥した空気、硬くなった地面、暗い時間帯の練習なども、冬場に確認したい条件です。
練習前は体を温めてからボールを使う
冬場は、練習開始直後から強いキックや全力疾走をさせず、体温と動きが段階的に上がる流れを作ります。ウォームアップは「少し汗ばみ、走る・止まる・方向を変える動作が無理なくできる」状態を目安にします。
- 防寒着を着たまま、軽いジョギングやスキップを行う。
- 腕回し、股関節回し、足首回しなど、関節をゆっくり動かす。
- 軽いサイドステップや後ろ向きの移動で、左右の動きを確認する。
- 短い距離の加速と減速を、弱い強度から少しずつ行う。
- 最後に、練習で行うダッシュ、切り返し、キックなどを低い強度から試す。
反動をつけて筋肉を強く伸ばす静的ストレッチを、体が冷えた状態でいきなり行うのは避けます。柔軟運動を行う場合は、まず軽く動いて体を温めてから、痛みのない範囲で行ってください。
冬場の服装は「動ける防寒」を選ぶ
寒さを防ぎながら、走る、止まる、ボールを蹴る動作を妨げない服装にします。練習中に暑くなったときに脱ぎ着できるよう、重ね着にすると調整しやすくなります。
- 練習開始前や休憩中は、ジャージやウインドブレーカーで体を冷やさない。
- 汗で濡れたインナーは、必要に応じて着替える。
- 手袋やネックウォーマーは、プレーの邪魔にならず安全に使えるものを選ぶ。
- 靴下やスパイクが濡れていないか、サイズが合っているか確認する。
- 帽子やフードで視界が狭くなっていないか確認する。
厚着をしすぎると動きにくくなり、汗で衣服が濡れて体が冷えることがあります。子ども本人が暑さや寒さを伝えられるようにし、指導者や保護者は顔色、動き、返事の様子も確認します。
水分補給は冬場も続ける
冬でも、練習前・練習中・練習後に水分を取ります。喉が渇いたときだけでなく、休憩のタイミングで少量ずつ飲めるようにすると、飲み忘れを防ぎやすくなります。
長時間の練習や発汗量が多い場合は、練習時間、気温、汗の量、食事の状況などを踏まえて、指導者や保護者が飲み物を準備します。飲み物の種類や量は、年齢、運動時間、体調によって異なるため、全員に同じ量を無理に飲ませないようにします。
練習量と動きの強さを急に増やさない
冬休み明け、長い休みの後、別の活動から戻った直後は、以前と同じ強度で動けるとは限りません。練習の再開時は、走る距離、ダッシュの回数、切り返しの回数を急に増やさず、体の反応を見ながら調整します。
特に成長期の子どもは、身長や体重、筋力、柔軟性が変化します。以前は問題なくできた動きでも、フォームが崩れたり、足や膝に負担がかかったりすることがあるため、練習中の動きを定期的に見直します。
グラウンドの状態と用具を確認する
冬場は、地面の硬さ、凍結、ぬかるみ、濡れた芝、霜、落ち葉などを練習前に確認します。足元が滑る、つまずく、靴が地面に引っかかるといった状態なら、練習場所やメニューを変更する判断が必要です。
- 練習前に、凍っている場所や水たまりを確認する。
- 暗い時間帯は、足元と周囲が十分に見える照明があるか確認する。
- スパイクのポイントがすり減っていないか確認する。
- 靴のサイズ、靴ひもの締め方、すね当ての位置を確認する。
- ボールやゴールなどの用具が濡れて滑りやすくなっていないか確認する。
地面の状態が悪い日に、通常どおりのダッシュや急な切り返しを繰り返す必要はありません。基礎練習、パス練習、判断練習など、転倒や衝突の危険を抑えられる内容に変える方法もあります。
痛みや体調不良があるときは無理をさせない
痛みを隠してプレーを続けると、動きが変わり、別の部位に負担がかかることがあります。膝、足首、かかと、すね、太もも、股関節、腰などに痛みがある場合は、練習を中断して状態を確認します。
次のような場合は、プレーを再開せず、保護者が医療機関への相談を検討してください。
- 強い痛みがある、または時間がたっても痛みが軽くならない
- 腫れ、変形、出血、強い内出血がある
- 足をつけない、関節を動かせない
- 頭を打った後に、意識がぼんやりする、吐き気がある、頭痛が続く
- 胸の痛み、息苦しさ、めまい、意識が遠のく感じがある
- 寒さで強い震え、反応の鈍さ、意識の変化がある
「少し痛いだけ」と子どもが言っていても、走り方が変わったり、片足をかばったりしている場合は、痛みがなくなるまで練習を休ませます。再開時期や受診の要否を自己判断しにくいときは、医療機関に相談してください。
保護者と指導者が確認するチェック項目
冬場の怪我予防は、子ども本人だけでなく、練習を管理する大人の準備も重要です。練習前に次の項目を確認すると、見落としを減らせます。
- 子どもが睡眠不足や発熱、強い疲労を抱えていないか
- 防寒着、飲み物、着替えを準備しているか
- ウォームアップの時間と内容が確保されているか
- グラウンドの凍結、滑り、硬さ、照明に問題がないか
- 休憩中に体が冷えすぎていないか
- 痛みや違和感を子どもが伝えやすい雰囲気になっているか
最初に行うことは、練習開始前の体調とグラウンドを確認し、軽い運動から始めることです。冬場のジュニアサッカーでは、防寒だけでなく、段階的なウォームアップ、無理のない練習量、適切な水分補給、痛みを我慢しない判断を組み合わせて怪我を予防します。







