ジュニアサッカーで頭を打った後、頭痛、吐き気、ふらつき、ぼんやりする、受け答えがおかしい、記憶が抜けるなどがあれば、脳しんとうの可能性があります。ただし、見た目に異常がなくても起こるため、家庭や指導者だけで確定はできません。疑った時点でプレーを中止し、同日中に競技へ戻さず、医療機関へ相談してください。
ジュニアサッカーで脳しんとうを疑う症状
脳しんとうは、頭や首に衝撃を受けた後に、脳の働きに一時的な変化が起こる状態です。意識を失っていなくても、次のような症状があれば疑います。
- 頭痛、頭が重い、頭を締め付けられる感じ
- 吐き気、嘔吐、めまい、ふらつき
- 視界がぼやける、まぶしさや音をつらく感じる
- 反応が遅い、ぼんやりする、集中できない
- 質問への答えが合わない、同じことを何度も聞く
- 試合の場所、時間、相手の名前などを思い出せない
- 普段より怒りっぽい、泣く、不安がる、眠そうになる
- 動きがぎこちない、バランスを崩す
- 一時的に意識を失った、または本人が覚えていない時間がある
症状は衝撃の直後に出るとは限らず、数時間後に目立つこともあります。本人が「大丈夫」「試合に戻れる」と言っていても、症状や受け答えに変化があればプレーを再開させないでください。
すぐに救急車を呼ぶ症状
次の症状がある場合は、重い頭部外傷の可能性もあるため、脳しんとうだけと判断せず、119番へ連絡してください。
- 意識が戻らない、または起こしても反応しにくい
- けいれんがある
- 頭痛が強くなり続ける
- 繰り返し吐く
- ろれつが回らない、片側の手足に力が入らない、しびれがある
- 歩けない、ふらつきが急に悪化する
- 人や場所が分からないなど、混乱が強くなる
- 瞳の大きさが左右で違う
- 鼻や耳から血液または透明な液体が出る
- 首の強い痛みがある
救急車を待つ間は、本人を歩かせたり一人にしたりせず、首や頭をできるだけ動かさないようにします。意識が悪い人に飲食物を与えたり、無理に起こし続けたりしないでください。
脳しんとうを疑ったときの対応
最初に行うべきことは、プレーから外して安全な場所で様子を見ることです。次の順番で対応します。
- プレーを直ちに中止する。「少し休めば戻れる」と考えて練習や試合を続けさせないでください。
- 意識、呼吸、受け答え、歩行を確認する。名前や現在地が答えられるか、会話が普段と違わないかを見ます。強い異常があれば119番へ連絡します。
- 保護者へ連絡し、本人を一人にしない。症状が遅れて出る場合があるため、帰宅後も大人が状態を確認できるようにします。
- 医療機関へ相談する。頭部を打ったこと、衝撃の強さ、意識消失の有無、出た症状と時刻、嘔吐の回数を伝えます。
- 医療者の許可があるまで、サッカーや接触を伴う運動に戻さない。症状がその場で消えても、同じ日に復帰させないことが重要です。
本人が眠りたがることだけで重症とは決まりませんが、起こしても反応しにくい、呼びかけへの反応が悪くなるといった変化は緊急性があります。判断に迷う場合は、地域の救急相談窓口や医療機関へ連絡してください。
脳しんとうと単なる打撲は見た目だけでは区別できない
頭にたんこぶや傷があるかどうかだけでは、脳しんとうの有無は判断できません。逆に、頭に目立つ傷がなくても、記憶の抜けやふらつき、受け答えの変化があれば注意が必要です。
| 確認する点 | 注意が必要な変化 |
|---|---|
| 意識・反応 | ぼんやりする、反応が遅い、起こしにくい |
| 記憶・会話 | 試合の状況を思い出せない、同じ質問を繰り返す |
| 体の動き | ふらつく、歩きにくい、動きがぎこちない |
| 体調 | 頭痛、吐き気、めまい、視界の異常 |
| 気分・行動 | 普段より怒りっぽい、泣く、眠そう、集中できない |
この確認表は受診の要否を確定する検査ではありません。症状が軽く見えても、頭部への衝撃後に変化があれば、指導者や保護者だけで「大丈夫」と決めないでください。
サッカーへ戻る時期は症状の消失だけで決めない
脳しんとう後の復帰は、まず日常生活で症状が悪化しないことを確認し、その後に医療者の指示に沿って運動量を段階的に上げます。走る、ボールを使う、接触を伴う練習、試合というように進めても、症状が戻った場合は中止して前の段階に戻します。
「本人が元気そう」「練習を休みたくない」といった理由だけで、その日に復帰させることはできません。特に再び頭部へ衝撃を受ける可能性がある競技では、復帰の判断を医療者に確認してください。
判断に迷ったときの要点
頭を打った後に頭痛、吐き気、ふらつき、ぼんやりする、記憶の異常などがあれば、脳しんとうを疑ってプレーを中止します。意識障害、けいれん、繰り返す嘔吐、悪化する頭痛、手足の異常などがあれば119番へ連絡し、症状が軽くても同日中の競技復帰は避けて医療機関へ相談してください。







