ジュニアサッカーで肩を脱臼した疑いがあるときは、腕を引っ張ったり、肩を自分で戻したりせず、動かさない状態で救急受診してください。肩の脱臼に見えても、鎖骨や上腕骨の骨折、神経・血管の損傷を伴うことがあるため、応急処置だけで様子を見ないことが大切です。
肩を脱臼した疑いがあるときの応急処置
- プレーを中止し、本人を安静にする
座るか横になる姿勢で、痛い腕を無理に動かさないようにします。本人が楽だと感じる腕の位置を保ち、肩の形を元に戻そうとしないでください。 - 腕を支える
タオルや三角巾などで前腕を支え、腕がぶら下がらないようにします。腕を体に固定する場合も、痛みが強くならない範囲にとどめ、きつく縛らないでください。 - 腫れや痛みがある部分を冷やす
氷や保冷剤を布で包み、痛む部分に短時間当てます。直接皮膚に当て続けたり、強く押したりしないでください。 - 医療機関へ連絡する
保護者から、整形外科や救急外来へ相談します。脱臼の疑いがある場合は、当日中に診察を受けてください。移動中も腕を支え、痛い側を下にして寝かせないようにします。
次の症状があれば119番を検討する
次のいずれかがある場合は、救急車を要請してください。本人を歩かせたり、腕を動かして確認したりせず、救急隊の到着を待ちます。
- 肩が明らかに変形している、または腕が異常な位置で動かせない
- 手や腕が白い、紫色、冷たい
- 手や指のしびれ、感覚の低下、力が入らない
- 出血が止まらない、傷口から骨が見える
- 強い痛みが続く、意識がぼんやりしている
- 頭や首を強く打った、胸を打った、息苦しさがある
特に、指を動かせない、しびれが強い、手が冷たいといった症状は、神経や血管への影響が疑われるため、緊急性があります。
してはいけないこと
- 肩や腕を引っ張って元に戻す
- 腕を上げ下げして動かせるか試す
- 肩を押したり、強くもんだりする
- 痛みを我慢させて歩かせる、プレーに戻す
- 自己判断で脱臼を整復する
肩を戻す操作には、骨折の有無や神経・血管の状態の確認が必要です。無理に戻そうとすると、骨折や周囲の組織の損傷を悪化させるおそれがあります。
脱臼かどうか分からなくても受診する
肩の脱臼では、肩の強い痛みや腫れ、腕を動かしにくい、肩の形が左右で違うといった症状が出ます。ただし、骨折や打撲でも似た症状が起こるため、見た目だけで判断できません。
痛みが少し落ち着いても、脱臼が自然に戻ったとは限りません。本人が腕を動かせない、腫れが続く、痛みが残る場合は、整形外科などで画像検査を受けてください。受診までの間は腕を支え、食事や飲み物は、手術や処置の可能性を考えて医療機関の指示があるまで控えるのが無難です。
要点
ジュニアサッカー中に肩の脱臼が疑われたら、プレーを中止する、痛い腕をその位置のまま支える、冷やす、無理に戻さないことが基本です。手の色や温度の変化、しびれ、強い変形、頭や首のけががある場合は119番を検討し、それ以外でも当日中に医療機関で確認してください。







